医療型と福祉型の主な違い

重症心身障害児(者)施設は、身体障害や知的障害など重い障害を抱えている子どもや大人が入所する施設です。提供するサービスは、大まかに医療型の施設と福祉型の施設に分けられます。医療型の重症心身障害児(者)施設は、その名の通り、疾病の治療や看護を受けながら日常生活を送る能力向上を目指す場所です。入居者は治療や介護サービスに併せて、日常生活動作の訓練やコミュニケーション支援などのサポートを受けます。入居者の疾病の安定を図りながら、その家族にかかる負担を軽減にも寄与する重要な役割を担っています。

一方、福祉型の重症心身障害児(者)施設は、入居者に日常生活の指導を行いつつ、それぞれが自立した生活を送れるように促す場所です。この施設に入居するには、障害者手帳を持っているだけでは認められません。保健センターや医師、児童相談所が支援が必要と見なした人が対象となります。入居者が地域で自立した生活を送れるようになることを目的とし、技能訓練や知識を身につけるサポートを提供しています。

医療型と福祉型の大きな違いは、治療や医療行為を必要とするかどうかです。入居の際は、施設の入所者やその家族が希望して選択する形ではなく、自治体が医療型と福祉型のどちらに入るべきかを判断します。以前は知的障害なのか身体的な障害なのか、また不自由な体の部位によって入所サービスが分かれていました。それに対し、複数の障がいを有している人への対応がスムーズにいくように、医療型と福祉型というシンプルな区分になった経緯があります。